インフレを起こさせないようにするには?

インフレになったらどうするかを考えるのも重要だが、インフレを起こさせないようにするにはどうするかを考えることも同じように重要である。インフレを起こさせないようにするには、日本国民が(インフレによらず)まじめに税金を払って国や自治体の借金を解消しようという行動が必要である

景気が悪化したからとして減税ばかり求めると、政府は真っ当な徴税機能(国税庁を通じた徴税)によって税収を確保することができなくなる。真っ当な徴税機能を失った政府が、借金以外の収入を確保する途は、インフレによる徴税しかない。

真っ当な徴税機能を持たない途上国がインフレを頻繁に起こしているのは、そのためであるが、これも今の日本には他人事ではない状態である。国税庁はきちんと仕事をしていても、国民がまじめに税金を払うように税法が定められていなければ、せっかくの徴税機能も生かされない。その徴税機能がまだきちんとあるうちに、(歳出削減とともに)増税による財政赤字解消が必要である。

もしインフレによらない増税を国民が同意せず、租税負担を何とかして逃れようとし続けるならば、将来のいつの日にか、インフレによって租税負担を国民に負わせようとする日がやってくる。所詮、財政赤字がこの国にある以上、どういう形であれ、租税負担はこの国の誰かに負わされる。

それは、もはや逃れられない事実である。この事実を甘受しつつ、効率的でかつ公正な形で国民に租税負担を負ってもらえるよう、冷静な議論ができる今のうちにその租税負担についてきちんと議論すべきである。インフレによる租税負担は、「税金は取れる人から取り、逃れられる人は見逃す」状態の極みで避けるべきである。そうした事態を避けられるか否かは、国民がインフレによらない増税を容認するか否かにかかっている。(インフレが起こることを国民の大多数が望んでいるというならそれまでであるが……)怖いのは「突然死」インフレにせよ、増税にせよ、今後国や自治体の借金返済をどうするかについてこれまで述べた話は、中長期的な話である。国民がインフレによらない増税を受け入れれば、これまでに述べた中長期的な悲劇は避けられる。

しかし、それでも避けられないのが、国や自治体の「突然死」である。「突然死」として考えられる現象は、国や地方自治体や年金基金、保険組合などで「決済資金」が不足したときに、事実上破綻する状況に陥るという現象である。民間企業では、今日支払わなければならないお金が手当てできなくなったとき、それが(初めてでなく)繰り返されたときに、「事実上倒産」(会社更生法を適用するか否かは別として)となる。

それは、その会社にどんなに明るい将来があったとしても、今日この日の決済資金が不足してしまって、決済を延期できなければ、この憂き目に遭う。これは、財政においても同様で、決済日に支払うべき工事代金、給与、年金給付、保険金などを支払えず、その決済を延期できない(債権者が延期を許さない)ならば、どんなに将来多くの税収などの収入が得られるとしても、事実上破綻する。

ただ、現実問題として、こうした憂き目に財政が直面することは極めて低い確率でしか起き得ない。なぜならば、政府には、徴税権を担保とし民間企業よりも信用があり、政府が多少決済を延期しても将来のいつかは返済してくれる、と大多数の債権者は信じている。

具体例でいえば、政府の予算案が年度の始まる四月一日までに成立しなかったら、(暫定予算を組むのだが)政府の民間に対する決済資金が滞らないように、公務員の給与は四月分については全額を支給しないことが、慣例となっている。このとき、公務員はそれでも給与を全額支払え!とは決して言わない。

将来確実に税収によって未支給分を支払ってもらえると信じている。しかし、国民が、国や自治体の借金返済がこれだけかさんでいても、増税に反対したり、短期的な景気対策と称して財政支出を増額するよう要求したり、老人がかわいそうといっては年金や医療保険で支出を強要したりすれば、近い将来「決済資金」に事欠くことがありうる。決して非現実的なことではない。

つまり、収入が確保できないのに支出(特に義務的な経費)ばかり増えれば、それだけ決済できなくなる可能性が高くなるというわけである。特に、それは財政力が弱く、信用力が小さいところ、すなわち過疎の市町村や小規模の年金基金や保険組合から起こり得る。

確かに、総務省総務省や厚生労働省などがこれらの財政状況を監視しているが、短期的な「今日この日の決済資金」まで細かくは把握しきれていない。旧大蔵省銀行局が全ての銀行の財務状況を監視してはいたが、急に起きた破綻(決済資金の不足)には、完全に対応できなかった過去の事例と同様に、財政においても起きないとは限らないのである。

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