これがダントツの人の目標だ!!

目標を文章化してみよう。これを実行している人は、なかなかいない。スポーツ選手なら、下のような目標を書き出すことができるだろう。

・世界チャンピオンあるいはオリンピックの金メダリストになる

・目標とするタイム、高さ、距離、重量の達成

・選手権の決勝戦に出場する

・代表チーム入りする

・完璧な走りを見せる

ビジネスマンは、スポーツ選手よりも目標の定義がはるかに難しいと思うかもしれない。確かに、目標は複雑になるかもしれないが、会社の規模の大小にかかわらず、目標を定める重要性は、ビジネスの世界でも同じだ。成功するビジネスには、必ず明確なゴールがある。会社の長期目標を立て、役員の望む方向性に沿った舵取りをすることに加えて、経営者は、自分自身がどこまで大きくなりたいか、という目標を持つべきだ。これは、私に相談に来た経営者が定義した目標の一例だ。

・私は世界で最も評判の高い経営者になる

・私は帝国を築きあげる

・私は、会社をノルウェー一の職場にするという目標に貢献するために、常に最善を尽くす

・私は、従業員を導き、やる気を与える企業家になる

・私は、完璧を目指して指導者として進化し続ける

・私はノルウェー史上最高に物議をかもすリーダーになる。

評価を二分されながらも、会社に最高の結果をもたらす短期的な目標を一、二個持つのが効果的な人もいれば、一〇年、二〇年、三〇年という長期的目標を持ったほうがいい人もいる。どんな人にも一番確実なのは、主たる目標と、サブとなる目標や夢やビジョンをそれぞれ決めてゆく方法だ。

元男子プロテニス選手のアンドレ・アガシは、朝起きたときに、グランドスラムや大きな大会のことを一切考えなかった。朝起きて一番に「今夜ベッドに入るときに、僕は自分を誇らしく思っている」と考えた。これを毎日意識すれば、結果として、毎晩自分を誇らしく思うという現実が手に入るのだ。ノルウェーの文化ジャーナリスト、ハンス・オラフ・ブレナーは、著書「書くことについて」(OnWriting)のなかで、作家ラーシュ・ソービエ・クリステンセンの執筆の進め方について書いている。

複雑な長編小説を書くときは、椅子に座るたびに小説全体を思い浮かべても無駄だという。

「それは、肉体的にも精神的も実現可能ではない。そのため私は、常に小さな目標を設定する。三年間ここに座って四〇〇ページを書こうとは考えない。体も頭も麻痺してしまうから。その代わり、こんなふうに考える。さあ、私の主人公が目を覚ますぞ。彼が着る服を選ばなくては。それから彼は階段を下り、外に出て通りを歩き、誰かに出会うかもしれない」

究極のゴールは小説の完成だが、その過程で細かな目標を設定し、小さいながらも重要な決定をくり返すことが、より大きな全体に帰結するのである。長期目標の好例として、クロスカントリースキーで八個の金メダルと四個の銀メダルを獲得したノルウェーのビョルンダーレンを見てみよう。

「世界一のクロスカントリースキー選手」という目標は、短期間で実現できるものではない。ダーリはもちろん、大きな目標と同時にいくつかのサブターゲットを設定した。日々のトレーニングのスケジュールをこなし、細部に意識を集中し続ける原動力となったのは、自分の内面から湧き出すモチベーションだった。それがあったから、彼は史上最強のスキー選手になれたのだ。

では、目標に到達したら、どうすればいいか。マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは、かつてこう言った。「もしも私がゴールという概念を設けていたら、とっくの昔に到達していたと思わないか?」これはまったく問題ではない。新しく目標を設定すればいいのだ。長年マンチェスター・ユナイテッドの監督を務めたサー・アレックス・ファーガソンほど多くのゴールを達成した人はいないだろう。

二〇〇七年に九度目のプレミアリーグのトロフィーを頭上にかかげる直前に、彼はこう言った。「来シーズンを楽しみにしているよ。引き続き頑張ろうじゃないか。ヨーロッパタイトルで優勝し、ふたたびリーグタイトルを獲得するのが待ちきれないね」

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